鳥はコミュニケーションが必要な動物
最近は以前より鳥をデザインした雑貨をよく目にしたり、鳥の飼い方の本も増えたり、鳥のカフェができたり等、以前よりも鳥が人気になってきたようですね。
けれども、鳥がとても感情豊かでコミュニケーションが必要な動物であることを、皆さんはご存知ですか?
私は、鳥は餌と水を与えるのと同じくらい、愛を与えることがとても重要な動物だと考えています。
犬や猫は触り方や感情の読み取り方が比較的簡単であるため、コミュニケーションを取りやすいですし、その重要性を理解できる人もたくさんいると思います。
でも実は鳥も全く同じです。
ペットとしては犬猫よりは一般的ではないので、飼ったことがなければ、どちらかというと観賞するためとか、触れ合うとしても手に乗せたりおしゃべりさせるのを楽しむ程度だと思っている人も多いと思います。
私も自分でインコを飼うまではそうでした。
けれども実際、特に中型以上の鳥は、犬と同等の知能を持つとも言われており、とても頭がよく感情も豊かです。
信頼関係を築けている鳥は、人のことを本当によく観察しながら表情や感情を読み取り、それに応じた反応や愛情表現を全身を使ってします。
鳥は子供の頃、小型のインコを飼っていたことがあったので知った気になっていたのですが、三年前から中型のインコを飼い始めてから、私はまだ鳥のことを全然知らなかったなと思うようになりました。
そして飼い始めてから、鳥ともっと触れ合いたい、どんな動物なのか知りたいと思うようになり、時々鳥専門のペットショップや飼えなくなった鳥が保護されている施設へ遊びに行くようになりました。
でも何度か行き、だんだん鳥の気持ちを動作等から読み取れるようになってくると、楽しみにして行っても帰りは暗い気持ちで帰ることが多くなりました。
それは心が満たされなかったり傷ついた鳥達の姿をしばしば目にするからです。
落ち着かない行動、逆にいくらこちらから声をかけても動かない表情や動作の鳥。
自ら傷つけてボロボロになった羽や皮膚、羽を抜きすぎて丸裸になったお腹。
満たされない思いやストレス、その刃は鳥の場合、自分に向けられてしまうことが多いのです。
並んだケージの端から一羽ずつ触れ合っていくと、それぞれ限られた時間の中で必死に人からの愛を感じようとします。
ケージの隙間から、1本の指先しか入らないのですが、その指先と夢中で触れ合おうとして、終わりがありません。
できることならここにいるみんなを飼ってあげたいと思うくらい、とても切なくなります。
ペットショップの店員さんであっても、鳥の飼い方を本当にわかっていますか、と問いかけたくなることがしばしばあります。
店員さん達も悪気はないのだと思いますが、処置やお客さんとの顔合わせの為、その鳥と目を合わせることも何の声がけをすることもなく、まるでお人形のように手で軽々とつかみ取る様子。
鳥は普通の野生本能から考えれば、捕えられて食い殺されてしまうと思うでしょう。
どうしてその怯えた姿が分からないのですか、もしくは分かっていても人間より下等な動物だから気にしないのでしょうか。
保護施設では、問題行動を理由にあずけられた子、鬱状態の子、過食症の子、自分で自分の羽を抜いて首から下の羽がない裸の子…。
愛に飢え、自尊心を傷つけられている鳥達があまりに多い現状が、すぐそばにあります。
保健所で亡くなる犬猫の問題は皆さんご存知だと思いますが、ペットにされた鳥にも、同じように問題が起きているのです。
この地球上に約一万種存在し、全ての動物の中で最も個体数が多いと言われる鳥類。
本来多くの鳥は群れを作り、大空の長い距離を舞いながら生活しています。
そういった野生の環境から離し、ペットとして人間の世界へ連れてくるのであれば、ケージの中に閉じ込めただ鑑賞するだけでは不十分です。
積極的にコミュニケーションをとり、ケージの外等で動き回れる環境も作るなど、鳥が、生きていることへの幸せを少しでも多く感じられるよう、努力する責任があります。
特に中型以上の鳥は、犬猫よりも長生きします。
私の飼っているウロコインコは長いと20~30年生きるそうです。
大型のインコは50年程生きる種類もいます。
一度飼えばそれから長い期間人生を共にすることになります。
飼う前にはきちんとした覚悟が必要です。

〈 11/6 本日のミニアート 〉
タイトル:鳥の背に乗って (Flying through the sky on the back of a bird)
鳥の背中に乗って飛んでみたい。みんな一度はそんな風に思ったことありませんか?