自分の過去の感情を知り、そして絵を描く 1
私が絵を描くこと。
それはもちろん好きで楽しいことです。
けれどもどんな絵を描いている時であっても、好きとは別の感情がいつも同時に起こり、苦しくなります。
その感情が何なのか、つい数年前まで、自分でもさっぱりわかりませんでした。
それなので絵を描くことを無意識に避けていた部分もあったのですが、数年前に友人の依頼で絵を沢山描かなければならなかった時期がありました。
そこで描く時に起こるその感情に、向き合わざるを得ない状況になったのです。
毎日のように絵を描き続けることは、想像以上の苦痛を伴うものでした。
楽しいとは別の、制御できないその感情は一体何なのか。
取り払いたい一心で、描きながら原因を必死に考え続けていました。
そして二年程かかったと思いますが、もがき苦しみながらも描き続け、途中信頼できる何人かの人からの助言もあり、だんだんとその原因に気付き始めていったのです。
その別の感情とは、自分の奥深くに存在する闇の中の不安、怒り、恐怖等のあらゆる負の感情でした。
この世に人間として命をさずかってから今までの人生の体験の中で生じ、未消化のままの、負の感情。
それが自分の潜在意識の中、未だ熱を帯び、マグマのように存在していたのです。
絵を描くことによってそのマグマを自ら掘り起こしているのだということに気付いたのです。
気付き始めてからは、その闇を掘り起こすことから決して逃げないと心に決めました。
と同時に、その気付きは私がこれから先もずっと絵を描き続けていくための、大きな理由となったのです。

〈 11/23 本日のミニアート 〉
タイトル:小説の挿絵 (Chapter Header Art)