人相手のお仕事についてと、育児の仕方について考えた出来事(後編)
2日目。
朝からなんだか嫌な予感。
でも区立の園は電話で簡単にキャンセルすることができず、申込み取り消しのためにはその書類を現地まで持参する必要がある為、どちらにしても行かなきゃなので、重い腰を上げて向かいました。
かなり気合いは必要でしたが、昨日のことはもう終わったこととして、気を取り直し、気持ち良く挨拶しながら部屋に入りました。
でも入るなり、昨日も一番話しかけてきた先生が近づいてくると、早速息子の遊び飲み(周りのことに気をとられて飲むことに集中せず、少量ずつしか飲まないこと)についてこんなことを。
「ねぇ、7ヶ月にもなって遊びのみって、良くないじゃない?遊び飲みはしつけの問題だと思うのよね。ご飯食べるようになってからあちこち気が散って、集中して食べられないようじゃ、困るでしょ。」
は??
「だから、ちょっと泣いたからってすぐにあげるんじゃなくて、極限まで泣かせて、これ以上我慢できないっていう所までいかせるのよ。そうしたらまとめて飲むでしょ?私達は、そうしていますぅ〜!お母さんは、どうお考えですか〜?」
大きな声に自信満々の笑みを浮かべて、上から目線。
自分の考えを最初にしっかり押し付けた後で、”どうお考えですか。”なんて、自由回答の質問じゃなくて誘導尋問じゃないか。
’’極限”…??だから昨日あんなに赤い目してたんだっ!
「私は、その子それぞれ個性があるので良いと思いますけどね。」と答えるとすかさず、
「でも食べるようになってからそれじゃ困るじゃない!今のうちから直しておかないと、良くないでしょ〜。この前栄養士さんも、やっぱりそう言ってましたよ!やっぱりまとめて食事しないのは、お腹とか成長にも、なんか良くないみたいなのよねぇ。その辺は、お母さんどうお考えですかぁ〜?」
ジェスチャー付きで、大げさに、栄養士って専門家の名前出してきた。
「もちろん、食事がメインになってきた時に集中して食べないのは良くないと思うので、そういう時期になったらもちろんちゃんと教えますけど、まだミルクがメインの今のうちは、個性で良いと私は思ってます!」とけんか腰ではないけれど、はっきり答える。
「……まあね、お母さんの子だから、それぞれ考えは色々だからいいと思うけど。」
朝から何?気分悪い。
挨拶した直後に、早速ダメ出し。
栄養士って専門家出して説得したいんだろうけど、私も看護師だし、病院では栄養士さんなんて別に目上の職業でも何でもないんですけど。(もちろん下だとも思ってないけど。)
それに看護の知識からしても、遊び飲みが問題だなんて特別聞いたことがない。
そういえば昨日ミルクをあまり飲まなかったって言ってた。
記録には預けた6時間の間で「ミルク100、50、50(cc)」と数字が書かれている。
極限まで泣かせたって、結果は変わってないじゃない。
いや、むしろいつもより飲めてない。
そんなに興奮して、泣きつかれて、体力だけ消耗して……怒りがこみ上げてきた。
同時に息子に申し訳ないことをしたという自責感も。
今日もそんな風に見るつもりなんだろうか。
不安…。
そんなやりとりしながら、息子がお腹を空かせてぐずり出した。
そろそろお腹が空く時間だろうと思って家で作って持ってきたミルクがあり、先生達がちゃんと見てくれるか心配だったので、自分で飲ませてから行くことに。
いいかどうか聞くと「いいですよ。」と快く承諾してくれるが、ミルクを飲ませている間息子の今日の顔色を伺うでも私と会話するでもなく、先生達は離れた所にいて、こちらのことなんか関係ない様子。
2歳までの一時保育の子が過ごす部屋なのですが、0歳児は息子の他におらず、部屋の一角の布団が敷かれた場所に、私と息子だけがみんなから離れてポツリ。
もしかしたら、昨日もここでこんな風に1人放置されていたんだろうか…嫌な考えがよぎる。
ミルクを飲ませながら、先生達の様子を見ることができた。
まず第一の印象…暇そう。
そして子ども達にお絵描きさせてるのは分かるけど、それにしても声掛けなどはないし何をしているわけでもなさそうに、ただ座っていたりウロウロしたり。
時々仕事を思いつくと、新人の若い子にちょっと冷たい雰囲気で指示を出している。
そして少しすると、赤ちゃんが珍しいのか2歳くらいの男の子が、少し恥ずかしそうにしながら息子を覗きに来てくれた。
息子にオモチャをあげると差し出し、アリガトウ!と私が喜んで受け取ると表情がほぐれ、今度はクマのぬいぐるみを持ってきてくれた。
それをまた渡そうとしてくれるのだけど、両手がふさがり、受け取れない。
そしたら、その男の子がポトリとぬいぐるみを床に落とした。
「落ちちゃったぁ〜。」と反応すると、嬉しそうにして、また落とす。
また反応すると、もっと嬉しくなって何度も繰り返す。
可愛い〜!
先生達が何も話さないので、あたしと男の子の笑い声だけが響いているのですが、そんな一部始終を、遠くから先生達が笑わずに見ているのにも、気付いていた。
すると、やはり黙ってはいられなかったおばさん先生。
「○○く〜ん、ぬいぐるみは投げて遊ぶものじゃないでしょぉ〜。」
いや、投げてない。
危ないわけでも壊れるわけでもないんだから、おもちゃでどうやって遊ぼうが自由でしょ。
注意されて一度男の子の手は止まったものの、遊び相手の私が注意しないので、今度はウサギのぬいぐるみを出してきてまた同じことを始めた。
だんだん声を出して笑い始めたりして、本当に可愛い。
でもそうするとまた離れた所から、「○○く〜ん、ぬいぐるみ投げないでって言ったでしょ〜。ウサギさんが泣いてるよぉ〜。エーン、エーン!」
そしたらなんと、外野の他2人の先生もすかさずその声に合わせて、「エーン、エーン、エーン…!」と、ウサギの泣きまねの大合唱!
男の子は背中からそんな合唱を浴びて、その場でうつむき動けなくなってしまった。
その後、最初に注意した先生が真顔で「調子づいてんなぁ。」と一言。
プチプチプチッ…。怒りが…!
子どものそばに来て目を合わせるでもなく、自分達が先生なのに遊びたい子の相手をする訳でもなく、離れた所から傍観してただ注意だけするなんて。
どうして怒られたのか、きっとその子は理解できてない。
しかも悪いではなく恥ずかしいと思わせるような、一番最低なやり方で注意してる。
それは、いじめと何が違うの?
ただおもちゃで遊んで、甘えたかっただけなのに。
ミルクを飲み終え、今日ここに本当に預けていいのか混乱する中、新人の若い先生が唯一こちらの様子を伺いに来てくれました。
その先生はちゃんと息子の様子も見るし私とも会話してきてくれたので安心しました。
そうだ、おばさん先生は聞いてくれないから、この先生に言っておこう。
昨日泣き続けていたのが、もしかしたら今の様子からみんなと離れた所に1人寝かせたたままにされていたのかもと思ったので、寝かせたままにしないで、支えながら立ったり座ったりジャンプするのが大好きなんですと実演しながら説明した。
そしたら案の定、「そうなんですね!昨日ほとんど寝かせたままにしてました。」と。
「やっぱりそうだったんだ!」ムカムカ〜。
こんな様子もやはり他の先生達にはしっかり見られているのを感じるので、あからさまに感情を顔に出すこともできず、こらえました。
「今日はそうならないように、よろしくお願いしますっ!」
「はい、分かりました。頑張ります!」
と、その子に息子を託すつもりで、怒りと心配でいっぱいになりながらも、こども園を後にした。
そんなこんなで預けている間はずっと落ち着かず、心配しながらお迎えに行きました。
でもそのボス的な一番話してくる先生がその時間にいなかったせいなのか、若い先生が頑張ってくれていたせいなのか、先生達の雰囲気は今までと違って優しく、「今日はそんなに泣かず、問題なかったですよ。」と。
息子は私を見るとニコニコ元気そうな笑顔。
「よかったぁ〜〜。」涙が出そうなくらいに、心からホッとしました。
(長くなってしまったので、今日はここまで♪ 明日の 「考察編」 に続く。)