空中に放たれる色、オーラ 1 ~左手の腱切断事故の後から突然見え始めた話~
皆さんオーラは見えますか?
または見ようとしたことはありますか?
私がオーラを最初に見た時の話。
それは突然でした。
まだ最近、確か5年前くらい。
看護師の仕事中、カミソリを持っていた右手が滑り、カミソリの刃が左手の中指の第2関節に垂直に当たってしまいました。
骨が見えるまでパックリと割れ、何本かの腱が切断する事故を起こしてしまいました。
すぐに別の総合病院へ行き緊急オペ。
その後は指先から肘にかけてギブズ固定で左手は絶対安静。
たった指1本の怪我なのに、強い痛みと安静のためにかなりの生活の制限がかかった状態で、家の外にも出られない生活が1ヶ月続きました。
先生からは、切れた場所が悪かったため、一度でもどこかにぶつけたり動かしたりして縫い合わせた腱が再び切れてしまったら、指が不可逆性に変形してしまう。
切れた場所からして、残念ながらそうなる可能性も高いし、運良く変形しなかったとしても、今まで通りに指が動くようになることはまずないでしょうと言われていました。
そのため左手中指を守るのに神経をすり減らし、仕事に戻れるだろうか、普通の日常生活は遅れるだろうか…将来への不安にも押しつぶされそうになりながら過ごす日々でした。
1ヶ月経過し、変形のリスクが少なくなってきた頃からは、肘まである大きなギブスから、手首までの小さなギブスに変わりました。
大きなギブスが外されて、生きている人の手とは思えないような痩せて変色し硬くなった左手を見た時には、もうこの手が元に戻ることはないのかもしれないと、ショックで倒れかけてしまいました。
そしてその後は、後遺症を最小限にする為のリハビリ。
左手全体が、動かそうとしても自分の体の一部とは思えないくらいに硬くなっていました。
脂汗をにじませながらやっと数ミリ動かすと、その瞬間声を上げてしまう程、体中に電気のように走る激痛。
そんな痛みでリハビリも恐怖でしたが、有り難いことに懸命なスタッフさん達に支えられ、痛みに耐えながらリハビリに少しずつ専念できるようになっていきました。
絶対に元に戻したくて、指が炎症を起こしているからやりすぎだと何度注意されても、家でも一人黙々とリハビリを続けました。
そのお陰か、半年経過した頃には先生や他のスタッフさん達も驚く予想以上の回復。
まず元には戻らないと言われていたのが、一年くらいかけて動きも外見もほぼ完全に元通りになり、嬉しくて泣きました。
そんな大変だった時期の、ある日のこと。
定期の診察を終え、会計待ち用のソファで何も考えずにボーッとただ座っていたら、ソファに座っている人達、ロビーを歩く人達の一人ひとりの体の周りを囲むように、何やらボワーンと色のついた雲のようなものが突然見え始めたのです。
人によってオレンジ、緑、黄色…色とりどりで綺麗で、動く人にもピッタリその雲はくっついていきます。
……何が起きた!?
最初はすごく驚きましたが、間もなく多分オーラというものが今見えているんだと気付きました。
大きな総合病院だったので、患者さんもスタッフさんも人が沢山いたのですが、視界に入る人全てのオーラが色とりどりに見えてきました。
とても美しくて感動したのと同時に、自分は変な人になってしまったかもしれない…という怖さも。
会計で名前を呼ばれると、今までのことが嘘のように、途端に見えなくなってしまったのですが。
その後も何故か診察の後に、同じように人のオーラが見えることが時々あったので、それも楽しみにもしながら病院へ通うようになりました。
今も少し集中すれば大抵少しは見えたり、でもたまには見えなかったり。
時には空中にカラースプレーを吹きかけているかのように、とても鮮明に見えることもあります。
目に見えないエネルギーがあることは容易に理解できますが、それが「色」で見える不思議。
それを知るとオーラはもちろん、私達が命を持ってこの地球に今生きていることも、とても美しいのだと思えます。

〈 1/21 本日のミニアート 〉
タイトル:左手だけで折った鶴
リハビリ期間中、家で左手を動かす練習で、よく折り紙を折っていました。最終的には左手一つで折り紙を折れるようになり、私の変な特技の一つになっています。今日は、自分の描いた絵で作った折り紙で、久しぶりに左手で折ってみました。