友人の前世を見たら、なんと人間でも動物でもなかった話(3)
いよいよ問題解決のため、Mさんが家だった時の前世で何が起こっていたのかを、一緒に見ていきます。
家に意識を合わせると、私もMさんも、家が彼に対してどうしようもないくらいに大好きで、でも同時に泣き叫びたいような悲痛な思いも強烈に感じます。
でも見えてくる映像は、それぞれ違う場面でした。
Mさんは家の目線でのみ見えてきます。
彼が縁側で外の景色を眺めながら、幸せそうにくつろいでいる様子。
そして家の前に広がる田園の中で困った顔をしている様子。
また家の姿として柱や縁側、石垣、茶色などと、いくつかの特徴を言葉にしていきます。
すると、その中で彼が困った顔をしている場面と「石垣」という言葉を聞いた時、瞬時に私の体が反応しました。
前世のMさんに向けて送っているヒーリングエネルギーの勢いが増してザーザーと流れ始め、眉間が痛くなったり全身が熱くなったりするのです。
その場面が、何か重要な鍵を握っている証拠です。
そこでその彼が困っている場面についてもう少し探ってみようかとMさんに促しました。
なぜその彼は困っていたのか。
その時、彼の身に何が起こっていたのか。
Mさんはしばらく集中して感じようとしてくれましたが、結局「分からない…。」と。
「多分自分が『家』だから、彼が困っていそうなことだけは分かるんだけど、彼と話せる訳でもないしそれが何でなのかは分かってなかったと思う。」と。
つまり、家だった自分の記憶が思い出せなくて「分からない」のではなく、
家は言葉を扱うことも動くこともできないので、詳細をいくら知りたくてもその手段を持っていなかったために、「分からない」ということのようなのです。
そうか。
家だとそういうことになるのか…!!
私も初めての経験で、この先どう進めていったらいいのか戸惑いました。
でもその時閃いたのは、私の中で初めて彼の姿が映った時の様子です。
私にも、Mさんが言うように確かに着物を着た男性が見えました。
けれでもただ立っているなどと静止した状態ではなく、何か物を脇に抱え慌ただしく動いているような様子が見えたのです。
それを見て、もしかして…となんとなく想像していたことがありました。
何かヒントがあるかもしれない。
確認するため、私はもう一度その場面に戻って見にいきます。
すると…。
想像通りでした。
彼は自分の家ではない場所に入り込んで、誰にも見つからないようにと急いで、抱えられるだけの書物を手当たり次第盗んでいるのです。
筆で書かれた文字がビッシリ書かれた書物を、抱えられるだけ抱えて持ち去ろうとしています。
けれども、不思議なのがそんな盗人の彼から、邪悪なエネルギーはほとんど感じられません。
恐らく彼は農民でしたが、上の位の人に何らかの理由で取り上げられた、自分や先祖が書いた沢山の書物。
それを取り返そうとしているだけのようです。
そしてその先の場面も見えてきたのですが、驚かせないようにとりあえずそこまでの場面を、Mさんに伝えます。
すると、「そうなんだぁ…。」と聞いてピンとくるものはなさそうでしたが(家なので知りようもなかったのでしょう。)、
その後で
「今、彼が縁側に座って、穏やかに書物を書いているのが見える。書物だよ!すごく幸せそう。」と。
そして、
「そう言えばあたし、詩を書くこととか字を書くのが昔から好きなんだ。
習い事も今まで続いた試しがなかったんだけど、何故か書道だけは唯一楽しく続けられたんだ。」と。
「そうなんだ…!!」
前世と今世が少しずつ繋がり始めます。
(続く☆)
