私は1週間後に死ぬ人が、いつもわかっていた(1)
私が産休に入る前までに数年間働いていた病院は、ホスピス(緩和ケア)病棟もあるような高齢者を対象とした病院でした。
当然人が死ぬという出来事も、沢山あるわけです。
そんな現場で働いている間、私はこれからこれから亡くなる人が、ちょうど1週間前頃から、いつもわかっていました。
余命が短いと医師が診断している場合に分かるのは当然ですが、そんな時だけではなかったんです。
どうして分かるのかと言えば、こんな現象からでした。
新しい病院での仕事にも慣れてきた頃、不思議なことがある日突然起り始めたのです。
それは、ある特定の患者さんの所に行くと、経験したことのないくらいのとても強いエネルギーが私の体の中を流れる現象です。
通常のヒーリングの時のようにエネルギーが手の平から放出されるのとは違い、頭の先から足の先まで全身の皮膚から、いや、きっと目からも吐く息からもとにかく全身から、強烈に放出されるのです。
そばにいてもらいたかったり話し相手をしてほしい患者さんのそばに、どんなにいてあげたいと思っても、その強いエネルギーのせいで動悸・息切れ・熱感・眩暈がひどく、長時間そこにいることができませんでした。
またそのエネルギーは制御不能。
通常のヒーリング時には、「ヒーリングを始める」と意識してスイッチをONにするのですが、何も意識しなくてもある特定の患者さんの所に行くと毎回勝手にそのエネルギーが発動してしまうのです。
止め方もわかりませんでした。
一体、これはなんの現象だろう…!?
患者さんのそばにいたいのにいてあげられないことと、自分の身体的苦痛を伴うことのストレスを、しばらくの間感じていました。
その後間もなく、近づくとエネルギーが発動するある患者さんは亡くなりました。
するとまた今度は別の患者さんで、同じ現象が起こり始めます。
またある時は、2、3人の患者さんに対して同時にそんな現象が起こることもありました。
その不思議な現象が謎のまま数ヶ月経ったある日、今までのことを振り返ってハッとしました。
あっっ!!
あの現象が起こり始めてからちょうど1週間後に、みんな亡くなってる…!!!
このことに気付いた時は、自分は何者かという戸惑いと、知ってはいけない秘密を知ってしまったような罪悪感もあったり、とにかくすごい衝撃でした。
そして、誰にも絶対に言ってはいけないことだと思いました。
ベッドに横たわりながら「死にたくない」と涙を流している人であっても、家族と退院後の生活を夢見て話している人であっても、私は1週間以内に亡くなる人がほとんどわかったのです。
実際退院が決まっていたくらい元気だったある患者さんも、退院目前にして病院の自室で突然亡くなりました。
皆が信じられないと驚き動揺する中、私1人「やっぱり…。」と心の中で思うのです。
何も悪いことはしていないのに、何か大きな秘密を抱えているようで、時々1人苦しくなることがありました。
(続く)

アメリカ・ジョージア州は東海岸の暖かい所なので、今の時期でも木々には紅葉や落ち葉が沢山あります。
今日は落ち葉に埋もれたり、両手に落ち葉を抱えて投げ合ったりしながら沢山 遊びました。
息子はあんまり慣れない近所の家のおじさんにカメラを向けられて、表情固めですが。苦笑