私は1週間後に死ぬ人が、いつもわかっていた(2)
1週間以内に亡くなる人に対して何か強いエネルギーが流れる現象が起こるようになってから、
そのエネルギーによる動悸や眩暈などの身体的苦痛と、1人で秘密を抱えていることへのストレスをしばらく感じていました。
けれどもその強いエネルギーにも時が経つと体が次第に慣れ、そうすると、悪いことだけでなく良いこともありました。
このエネルギーが何なのかは全く分からないけど。
でも、毎回決まった患者さんの前で発動するんだから、その患者さんにとって何か必要なものではあるんだろうと、恐る恐る目の前にいる患者さんの手を、強力なエネルギーで熱くなった私の両手で握ってみたのです。
すると、
「あったか~い!」
弱々しい声と苦しい顔しか見せなかった患者さんの口から、今まで聞いたことのないような大きな声が出ました。
ろくに眠ることもできず、幻聴や幻覚でいつも混乱している患者さんが、手を握る私を見つめながら初めて笑顔になってくれたのです。
しばらく鎮静剤を使ってもなかなか安静が保てない難しい状況が続いていたのに、私が手を握っただけでとても穏やかに、スーッと静かな寝息を立て穏やかに眠り始めたのです。
自分が感じるような身体的苦痛は患者さんには起こらず安全であるということと、何か強いヒーリング効果がありそうだということから、私の体が耐えられる範囲で、その現象が起きる患者さん達へ積極的にヒーリングするようになりました。
話を聞きながら手を握ったり、患部にそっと触れたり、冷えて固くなった足を揉んだりさすったりしながら。
ヒーリングをして一番多かったのは、不眠が続いている患者さんが、手を当てながらその場でスーッと静かに寝入ってくれることだったと思います。
目覚めた後も、いつもより心身の状況が落ち着いていると感じることが多かったです。
眠らない場合でも、「あったか~い!」「気持ちい~!」と今まで聞いたことのないような大きな歓喜の声を上げ、穏やかに昔話や病気以外の日常会話をしてくれることもよくありました。
こんな体験を重ねながら、1人で大きな秘密を抱えているような変な罪悪感は続きながらも、この現象を次第に自分で受け入れられるようになっていったのです。
これは私にとって大きな出来事でした。
もしもこの、医療を越える何か見えない力が確かに存在するという体験がなかったら、私は看護師を辞めてヒーラーになろうとは思わなかったかもしれません。
(続く)

アメリカには、サンタさんだけでなくトナカイもいました☆