意識の限界と、無意識の可能性 (2) 〜 カウンセリングの限界を知ったあの時 〜
次に長期間カウンセリングを受けたのは、
結婚してからのことでした。
(因みに夫と結婚したのは、約7年前のことです。) 夫のとの結婚生活に幸せを感じていたものの、
将来については今ひとつ自信がもてない状態が続いていました。
「今は大丈夫。でもいつか死んでしまうかもしれない」
そんな漠然とした不安が、
大分薄れてはきたものの、
でもゼロにはならない。
そして結婚してから自然と考える、
子どものこと。 でもその度に、
今は絶対に作れない。 作ってはいけない!
と思っていました。 理由は、
子どもを心から愛せない不安があったから。
子どもは大好き。 赤ちゃんも大好き。 看護師の経験も小児科と産婦人科。 学生時代看護師と保健師の勉強をしてきた時も、
いつも母子に関わる分野を選んで実習や研究をしてきたくらいです。
だけど、
自分の子どもとなると違う。
いつでも心から愛せる自信がない。 もしかしたら、
虐待してしまったりする可能性はないだろうか…。 そんな不安が1%もある以上、
子どもを傷つけないために絶対に作ってはいけない! そう固く決めてました。
もちろん問題は、
子どものことだけではありません。
その頃の看護師の仕事は、
仕事内容も人間関係もなかなかきつく、
表面上うまくやってもいて心の中はすっかり周りに振り回され、
いつも疲弊していました。 そんな時期だったからなおさらかもしれませんが、
夫やごく限られた友人以外の人とは、
まだなかなか心を許して付き合うことができない。 それに心のどこかには、
まだポッカリと空いた穴と、
消化しきれていない幼少期からの感情がザワつくのも感じます。
そんな時に思い出したのは、
学生時代に受けていたカウンセリングでした。
自分なりに調べた結果辿り着いたのは、
カウンセリングが充実していることを売りにしていた心療内科。
「今は特に心の不調はありませんが、カウンセリングだけを希望しています。受けることはできますか?」
事前の電話でも受付でも「心の不調はない」と何度も言ってるのに、
かなりの長時間待たされた後、
精神の状態を調べるためのテストを細かく受けさせられ、
結果を聞くまでにまたさらに待たされました。
で、
結果、
『異常なし』。(←だから最初から言ってるじゃーん。ムッ)
と、
ここまではまだよかったのですが、
その後言い渡されたのは…
「異常がないのでカウンセリングは受けられません。」
ええーーーーっ!!!
今考えれば心療内科は心の不調のある人だけを対象にする所。
だから当たり前だと分かるのですが、
その時は事前に電話で問い合わせしてたのに…と、
とてもショックでした。
心療内科の先生は結局、
少し悩んだ後で精神病の診断がなくても通えるカウンセラーさんを紹介してくれました。
それが偶然、
なんと大学で一番尊敬していた心理学のK先生!!
あのスゴイK先生にお世話になったら、
なんとかなるに違いない…!
何もしてもらえずガッカリでしたが、
最後にK先生を紹介してもらえただけで、
もう救われる思いでした。
そこから半年以上、
週1回程のペースでK先生の所へカウンセリングに通いました。
……が、
なんと!!!
何も変わらなかったのです。
最初のうちはまだまだ回数が足りないんだと、
頑張って根気よく通い続けました。
でも1回毎に何か新しい気付きがあったり気持ちが軽くなる訳でもなく、
ただ淡々とカウンセリングの時間は過ぎていきました。
(K先生と2人で話せてることは嬉しかったですが♡)
K先生も話を真剣に聴いてはくれて、
「それでよく今まで死ななかったねー!」なんて驚きながら共感してくれたりもしました。
でも、
意識にある範囲内での過去の出来事や心の整理は、
大学生の頃からもうさんざんやってきていました。
カウンセリング中は今まで自分が気付いたことをただ並べて報告するだけ。
K先生が伝えてくれるコメントも、
どれも自分の中ではもう知っていたり考えていたことばかり。
半年程経ち、
過去についてはもうほとんど話し終え、
何も変わらないのにこれ以上どうすればいいだろう…
と路頭に迷いそうになっていた頃。
とうとう先生の方からカウンセリングを終える時期だと告げられました。
あぁ、
ついに言われてしまった…!
その時の気持ちと言ったら、
何かをやり遂げた達成感とは全く逆の境地でした。
こんなにも頑張ったのに、
あのK先生だったのに、
何も変えられなかった…。
心療内科でも「異常なし」、
カウンセリングでも収穫なし。
時間とお金だけが無駄に消えていった気がしました。
え、
じゃあこの心の中のザワつきは何?
自分の子どもを愛せないかもしれないっていうこの大きな不安は何?
誰にも解決できない難しいことなんだろうか…。
私の心の中は何が起こっているんだろう…。
それから一時期は、
もう解決する手段は何もないんだと落ち込んでいました。
けれどもそれから間もなくして、
偶然知ったある方法によって、
ついに自分に大きな変化が起き始めたのです!
(続く)
